■もくじ
①ホーソン効果とピグマリオン効果ってどう違うの?
②そもそもホーソン効果って何?
③ピグマリオン効果って何?
④チームの士気を上げるためには、どう活用すれば良いの?
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①ホーソン効果とピグマリオン効果ってどう違うの?
ホーソン効果とピグマリオン効果の違い、それは「環境」か「期待」かという事です。
ホーソン効果は「人から見られている」という環境による心理的な効果です。
ピグマリオン効果は「人から期待されている」という認識による心理的な効果です。
②そもそもホーソン効果って何?
ホーソン効果とは、アメリカにあるウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場にて行われた実験によって得られた効果の事です。
効率よく生産する為には、「作業環境」が影響しているという仮説に基づき、作業環境を変化させながら、生産性の高まる環境をさぐりました。
代表的な実験は「照明実験」です。明るさが作業環境に影響をあたえるのではと考えたのです。簡単に言うと、明るければ作業効率は上がり、暗ければ下がるという実験です。
しかしながら、結果は明るさと生産性との関係は得られず、仮設を立証するには至りませんでした。
ところが、実験後に従業員へのインタビューを行ったところ、
「実験の最中に、監督者から注目されている事で、生産性がアップしました。」
という声を多く聴くことがありました。
つまり、照明などの作業環境よりも、人から見られている、注目されているという状況が生産性を高めることにつながるということが分かったのです。
誰かから注目されると、「よく見られたい」「期待に応えたい」という気持ちがうまれ、それによってパフォーマンスが向上し、良い結果につながります。
例えば、スポーツの世界では、観客が多い方が良いパフォーマンスが生まれるという事も良くあります。
これは、観客からの注目を浴びることで、生産性が向上するというホーソン効果です。
また、仕事や勉強を行う際、自宅で行うよりもスタバなどの他の人がいる場所で行った方がはかどることって多いですよね。
他の人もいる環境に身を置くことで、「見られている」という感覚が発生し、だらけたり、乱れたりすることなく、生産性が高まります。これも1つのホーソン効果と言えます。
では、ピグマリオン効果とはどのようなものでしょうか?
③ピグマリオン効果って何?
ピグマリオン効果とは、アメリカの心理学者ローゼンタールが発表した心理学の用語です。
ローゼンタールは、「今後成績が向上するかどうかを調べるテスト」として、一般的な知能テストを生徒に受けさせ、その結果とは関係なく、無作為に抽出した生徒を「成績向上の可能性の高い生徒」として教師に伝えました。
結果、「成績向上の可能性の高い生徒」として抽出された生徒の成績が向上したという成果が得られました。
これは、教師が、成績が向上する可能性が高いという期待を持って生徒に接し、その生徒も教師からの期待を感じたことが、成績向上につながったと評価できます。
このように、人の能力は「期待をかけられる」ことによって向上することがわかりますね。
④チームの士気を上げるためには、どう活用すれば良いの?
では、このホーソン効果とピグマリオン効果をうまく使ってチームの士気をあげるのかを考えてみましょう。
- 監視ではなく見守る
- 期待していることを言葉で伝える
- 特定のメンバーに偏らない
・監視ではなく見守る
ホーソン効果は人から見られている、注目されているという認識によって、生産性や能率がアップすると言うものです。
ですが、四六時中見られているとすると、それは監視ですよね💦
マネジメントで活用するときには、適度な距離感が大切です。
具体的には、あなたのことに注目していますよという事を、上手く伝える。
例えば、「応援しているよ」などの激励の言葉を伝えいる。
また、他部署の人がそのメンバーの事を褒めていたり、注目していたりという事が分かれば大チャンス。「営業部のTさんが、あなたの事をほめていたよ」と伝える。これは間接的ではありますが、本人の承認欲求を満たすのに十分すぎる嬉しいことです。
「みんながあなたの事を見ていますよ。注目していますよ。」という事を、あの手この手で伝えていくことが大切です。
わが子を見守るような目で、メンバーを見つめ、過剰に手を出し、口をはさむことなく、見守ることがポイントです。
・期待していることを言葉で伝える
「阿吽(あうん)の呼吸」という言葉があります。
時に人は「分かってくれているだろう。」という勝手な解釈をします。
基本、自分以外の人は、他人です。いくら自分がその人に期待をしていたとしても、それを言葉で伝えなければ、絶対に伝わりません。
「期待しているよ」その一言だけでOKです。
ただ、関係が出来ていない状態で唐突に言うと、気持ち悪がられるかもしれません。
普段からのベースとなるコミュニケーションがあれば、上手く伝わります。
仮にコミュニケーションが不十分であったとしても、思い切って伝えてみてください。
一瞬、相手はびっくりするかもしれませんが、いやな気持はしないはずです。
そこから新しいコミュニケーションが生まれるかもしれません。
ピグマリオン効果をうまく使うには、相手が「期待されている」と感じる必要があります。
伝えたいことは言葉にしないと伝わりません。
思い切って伝えてみてください。
・特定のメンバーに偏らない
最後に、ついつい特定の期待しているメンバーとのコミュニケ―ションが多くなりがちですが、ここに落とし穴があります。
自分とのコミュニケーションが少なくなると、「自分は期待されていないんだ」と感じてしまいます。
これをピグマリオン効果の反対の影響として「ゴーレム効果」と言います。
ホーソン効果やピグマリオン効果を意識するあまり、チーム全体の事が見えなくなってしまう事もあります。
そもそもの目的は、チーム全体の底上げや、チーム全体の成果の最大化ですので、ゴーレム効果がうまれてしまっては本末転倒ですね。
期待しているメンバーと同程度かそれ以上に、コミュニケ―ションをとることが大切です。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
結構めんどくさいな・・・。
そう思った方もいらっしゃるかもしれません。そうなんです。メンバー育成は、手間暇のかかることなんです。
人材育成や、マネジメントには、いろいろなノウハウがあふれています。
だからこそ、何をおこなったらよいか迷いがち。
一つ一つ丁寧に実行し、成果がでるまでじっくり行ってみるしかないですね。
一朝一夕には、人は育ちません。じっくりと、向き合う覚悟も持ち合わせておきたいですね。
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