勉強がどうも苦手。特に、暗記系はひたすら覚えるだけという作業が苦痛だし、集中力がそもそも続かない・・・。
そう感じる人は多いのではないでしょうか?実は、脳のしくみをうまく使うと、勉強を行うことへのハードルを下げることが出来ます。
しかも、脳と五感をフル活用すれば、誰でも記憶力を高めることが出来るんです!
■本記事の信頼性
脳にまかせる勉強法 池田義博著 を参考に執筆しています。
私自身も、本書の勉強法を使って、「第一種衛生管理者」の資格を取得しました。
■もくじ
↓【関連音声】お急ぎの人はサクッと♪↓
1.脳のしくみを使って、勉強へのハードルを下げる方法!
勉強へのハードルを出来るだけ下げる為に行うこと。
それは、「脳をだます」ということです。
脳をだますことが出来れば、勉強への着手のハードルを下げることができます。
さらに、脳をだますことが出来れば、記憶力をアップさせることが出来ます。
・中途半端が脳はきらい
脳は中途半端がきらいです。途中で終わっている事があると、どうしても続きが気になります。
「1時間は勉強しましょう。」と言われるのと、
「15分だけ勉強しましょう。」と言われるのでは、
どちらの方が着手しやすいでしょうか。
もちろん15分の方がハードルが低く、着手しやすいですよね。
でも、15分だけで良いの?と思われた人もいると思います。
15分でOKです。
理由は、15分では中途半端にしか終わらないからです。
ポイントは「中途半端に終わる」ということです。
ツァイガルニク効果という脳の特徴があります。
これは、達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄のほうをよく覚えているという現象です。
例えば、テレビCMで「続きはWEBで」という定番のフレーズがあります。
これもツァイガルニク効果を使っています。
続きが気になって、WEBにアクセスしてしまうんですね。
勉強も同じです。中途半端に終わらせておくと、脳が気持ち悪くなって、続きの勉強を行いたくなります。
あえて15分で終わらせておくと、翌日、勉強をはじめる時に、初回よりも机に向かうのがスムーズになります。
勉強に慣れてくれば、15分から少しずつ時間を延ばせば良いですね。
・浮気すると脳に嫌われる
脳は浮気が嫌いです。
実は、記憶については、「ながらはNG」とされています。
テレビをみながら、音楽を聴きながら、などのながらは、脳が嫌います。
音楽を聴きながらだと、「あれ?勉強するんじゃなかったの?音楽を聴きながらという事は、そこまで勉強は重要ではないんだね?」と脳は解釈します。
音楽を聴きながら勉強をする人もいるかと思いますが、最初の勉強の導入の部分では良いかもしれませんが、勉強に意識が向き始めると、音楽は消す方が効果的です。
音楽を消す、あるいは「耳栓」をするという行為が、脳にスイッチを入れてくれます。
自習室にこもる、など、他のスイッチでもOKです。
スイッチが入ると、脳は浮気をせずに、記憶に集中してくれます。
・何度も入ってくる情報が脳は好き
脳は、何度も繰り返し入ってくる情報を「重要」ととらえるクセがあります。
よく、「集中して一回で覚えよう」「授業中に覚えてしまおう」という指導があります。
これは、その内容に「意識を向ける」という点では有効ですが、記憶として定着するという観点でみると、不十分です。
やはり、繰り返し反復する方が、記憶としては定着します。
意味は分からなくても、何度も読むという事の方が、記憶には残ります。
・楽しいことが脳は好き
何でも楽しみましょう!とよく言われます。
これは、脳は楽しいことが好きだからです。
イヤイヤやっている事と、好きでやっている事とでは、当然好きでやっている事の方が成果は出ます。
高校古文の単語帳に「ゴロ513(ゴロゴサーティーン)」というものがあります。
タイトルだけで、すでに面白いですよね。
私は、ゴロ合わせだけでも面白いのですが、ゴルゴサーティーンのイラストなどもあって、より面白い単語帳になっています。
楽しく勉強しようとすれば、やり方はたくさんあります。
脳を楽しませてあげることが重要です。
(補足)
勉強しよう!と意気込めば意気込むほど、机に向かうのが嫌になりますよね。
ですが、
「勉強は作業。何も考えなくてもOK。脳をうまくだませば、脳が勉強してくれます。」
こう聞くといかがですか?
勉強は別に特別なものでも、苦行でもなくて、ただの作業です。
頭にねじりハチマキを巻いて、「絶対合格!」と掲げ、行うものではないのです。
もちろん、勉強範囲が広かったり、大学受検など、人生をかけた大勝負に向かう時には、気合や願掛けも必要かもしれません。
普段の定期テストや、資格試験などに取り組むときは、是非気持ちを楽にしてみてください。
正しく作業をこなせば、記憶は定着します。
少し、気持ちが楽になったのではないでしょうか?
2.脳のしくみをフル活用「3サイクル反復速習法」
脳は、何度も繰り返し入ってくる情報が好きです。
これをうまく利用したのが、3サイクル反復速習法です。
エビングハウスの忘却曲線によると、覚えてから20分後には約42%、1時間経つと約56%、次の日になると74%もの記憶が失われるといわれています。
自分は頭が悪い、と言う人がいますが、それはウソです。
人間は「忘れるように出来ている」ので、みんな忘れるのです。
ただ、記憶する手段を知らないだけです。
「3サイクル反復速習法」は記憶を定着させる手段です。これを淡々と行えば、脳が勝手に記憶してくれます。
・範囲を狭めて集中力をキープ
どうしても一気に切りの良いところまでとやりがちですが、章や単元ではページ数にバラつきがあるので、最小単位は「1ページ」と決めます。
この最小単位の1ページを3回繰り返しながら勉強を進めます。
まずは、1ページ目を読みます。終了したらそのページの数字を丸で囲みます。
次にもう一度、同じページを読みます。終了したらそのページの数字を丸で囲みます。
そうすると、1ページ目の数字に二重丸がつきます。二重丸がついたら次のページに進むサインです。
次のページを読んだら、そのページの数字を丸で囲みます。このページは一重丸です。一重丸がついたら、1つ前のページに戻ります。
戻ったページをもう一度復習します。復習が終われば、ページの数字を丸で囲みます。そうすると三重丸になりますね。
このように1歩下がって2歩進む要領で進めて行くと、1ページにつき3回ずつ勉強することが出来ます。
・問題集を答えを見ながらハイスピードで読む
この勉強方法は「記憶を定着させる」ことを目的としています。
なので、じっくり時間をかけて勉強していると、どんどん記憶が薄れて行きます。
短時間の内に全範囲を終わらせ、その時点で3回学習出来ているというのが、この勉強方法のポイントです。
なので、問題が分からずに悩んでいる時間は、勉強のスピードを低下させることにつながり、回数をこなすことの妨げになります。
問題が分からない場合は、どんどん答えを読みましょう。
何よりも、ハイスピードで全範囲を3回学習することが重要です。
・全範囲を一度終えられたら、更に2回転、3回転と進める
3サイクル反復速習法で、全範囲を一度終えることが出来れば、続けて2回転3回転と学習を進めて行きましょう。
1回転目はもしかすると、それなりに時間がかかったかもしれません。
ですが、全範囲を一度見ているので、どのあたりがポイントか、どのあたりが難しいかなどの見通しが持てているはずです。
2回転目以降は、特に苦手な部分や、試験に頻出する項目など、重点をおいて進めて行くことが出来ます。
ただし、理解している部分も一度は読むようにしてください。そうすることによって、記憶がさらに定着します。
2回転目以降は、1回点目よりもスピードアップできるはずです。
このように、2回転、3回転と進めることで、記憶が定着し、試験で使えるレベルに近づいていきます。
3.五感を使った勉強法3選
ここからは、3サイクル反復速習法を使いつつ、それでもなかなか覚えられない部分などを記憶に残していくために、五感を使った記憶方法を3つ紹介します。
・聴いて覚える
よく、「音読しましょう」と言われますよね。
それは、音声の方が映像よりも残りやすいという特性があるからです。
小学校で習った算数の九九や、英単語なども音読をして覚えた人が多いのではないでしょうか。
大人になると、なかなか勉強する時に音読することは難しいかもしれませんが、自宅などの音読出来る環境で、実践してください。
また、「耳栓」を使うとさらに効果的です。
耳栓をした状態で音読すると、自分の声が骨伝導で体に振動として伝わります。
この振動を伴った自分の声が、脳を刺激し、集中力をさらに高め、記憶力アップにつながります。
・嗅覚を使って覚える
嗅覚は、記憶に使いづらいと思われがちですが、実は脳は香り(嗅覚)に弱いと言われています。
それは、脳の中で最初ににおいを伝える場所が、感情や記憶をコントロールしている場所と隣り合わせだからです。
勉強している時に、嗅いでいる香りが、記憶を思い起こさせることに繋がります。
特に効果が高いと言われている香りは「ローズマリー」です。
イギリスのノーサンブリア大学の研究で、「ローズマリー」の香りには記憶力を高める作用があることが報告されているとの事。
ローズマリーの香りを嗅ぎながら勉強したグループは、香りを使わなかったグループと比べて、長期的な記憶が6~7割もアップしたという結果が得られたそうです。
香りを試験会場などで嗅ぐことは難しいかもしれませんが、許されるのであれば、ハンカチにローズマリーの香りをしみ込ませておくとよいかもしれませんね。
・手で覚える(体感覚)
これは、みなさん馴染みがあるのではないでしょうか。
英単語をノートにひたすら書いてスペルを覚えるという事をした人も多いはずです。
体の動きを伴って記憶すると、定着しやすいですよね。
この手書きですが、さらにオススメな方法があります。
それが「空書」です。
空書とは、空中に指を使って文字を書くことです。
文字を書くこと自体は、私たちの日常生活ではよくある動作なので、どうしても作業化してしまい、刺激になりにくいということがあります。
空書であれば、覚えたイメージを思い出しながら指を使って空中に書くことが、脳への刺激になり、記憶に残りやすいのです。
4.アウトプットする為の記憶方法とは
ここまではいかに記憶するかという事をお話させて頂きました。
ですが、資格試験などで成果を出す為には、「試験でアウトプット出来る」事が必要です。
私も良くあるのですが、日本史のゴロを覚えていたが、ゴロは出てくるがそれが具体的な年号としてアウトプット出来ない。という事が良くありました。
複雑なゴロであればあるほど、本番でアウトプットしにくくなったりします。
それを防ぐということを想定しながら、勉強を進めて行く必要があります。
ひとつは、実際の試験を解いて、記憶していたものをアウトプットする訓練を行う必要があります。
記憶の仕方によっては、アウトプットできない情報も出てくるはずです。
そういう点を重点的に復習し、「試験で使える情報として記憶」しておくことが大切です。
また、あるキーワードについて、連想できる情報をひたすら書きだすということも、記憶をアウトプットする訓練としては有効です。
分からないことががあったとしても、手を止めずに書き続けてください。
分からな場合は、「あ~なんだっけ~わからない」と心の声をそのまま書きだすのです。
1分間程度時間を決めて行うと、知識があやふやな部分が洗い出されます。
そうすると、その点をまた重点的に勉強すれば良いですね。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。脳のしくみをうまく利用すれば、まずは勉強へのハードルをグッとさげることが出来ます。
あくまでも記憶は作業です。正しい手順に沿って行えば、誰でも記憶力を高めることが出来ます。
手始めに、試験範囲のそれほど広くない資格などを見つけて、実践してみても良いかもしれないですね。
うまく手ごたえをつかむことが出来れば、難関資格に挑戦することも、視野に入ってきますね!